当院ではインプラントのリカバリ治療も行なっております
インプラント失敗の原因は?
歯科医に技能がありさえすれば、インプラント治療自体は成功率の高い治療法です。しかし、残念ながら成功率は100%ではありません。失敗するケースもあります。では、何が原因で失敗してしまうのでしょうか?
満足のいくインプラント治療を受けるためには、失敗の原因を事前に把握して、インプラントのメリットばかりでなくデメリットにも目を向けることが大切です。
<インプラント失敗の原因1-あごの骨の質の問題>
あごの骨が軟らかすぎる場合、植立後の安定性が悪く、少しの力が加わるだけで抜け落ちてしまう場合があります。逆に、非常に硬い骨は植立後の安定性はいいものの、インプラント周囲の血流が悪くなるために、抜け落ちてしまうことがあります。
<インプラント失敗の原因2-メンテナンス不足>
インプラント治療後の歯みがきが不十分だったり、間違った歯みがきをしていたりすると、インプラントの周囲に歯垢が溜まってしまいます。歯垢が溜まると、インプラントの歯周病(インプラント周囲炎)に感染して、抜け落ちてしまう場合があります。
<インプラント失敗の原因3-乱れた噛み合わせ>
噛み合わせは常に一定ではありません。噛み合わせが乱れてくると歯垢が溜まりやすくなり、インプラントに悪影響を及ぼすことがありますので、定期的なチェックが必要です。
<インプラント失敗の原因4-医療ミス>
診断ミスによる神経の損傷や、インプラントの植立方向に問題がある場合は、抜けてしまうことや抜かなければならない状態になることがあります。
<インプラント失敗の原因5-習慣>
糖尿病やヘビースモーカーの方、またアルコールの摂取量が多い方は、失敗する確率が高くなります。
NHKの放送以来、リカバリー、やり直しのご相談が10倍に!
2012年1月、NHKの「クローズアップ現代」という番組で「歯科インプラント トラブル急増の理由」という放送がありました。
その後、当院では、他院で行ったインプラントのリカバリーの相談や、診察を希望される患者さまが急増しました。それ以前と比べると、約10倍です。
番組では、さまざまな問題点が取り上げられていましたが、結論として、患者さまが現時点で最も注意すべきことは、「信頼できる病院選びをすること」とされていました。
私自身も、リカバリーの相談を受けたり診察をした経験から、深刻なトラブルが引き起こされているケースのほとんどが、
●その医院で行った診察や診断結果
●埋入したインプラントの本数や素材選び
●あるいは骨再生療法の方法など
根本的に最初から間違っていたのではないかと感じています。
●各種の検査をきちんと行い、結論を急がせない体制。
これは、私としては「当然のこと」と思いますが、残念ながら、「そうでない医院」や「技量不足の歯科医」が多く存在していることも事実なので、患者の皆さまには、充分に注意していただきたいと思っています。
「すべての患者さまにインプラントがベストな治療」というわけではない
また番組では、「歯科医師への警鐘」として、
「インプラントがいい治療であることは間違いないが、すべての患者さまに適したものではない。医師としての目で、その治療が患者さまにとって最適なものかどうかを見極める力を持つべき」
とも語られていました。まったくその通りだと思います。
私自身、「間違った意味での医療誘導はあってはならない」と思っています。また、患者さまにも、そういう医師や医院であるか否かを見極めるだけの、歯科に関しての知識や情報を得ていただき、ご判断いただきたいと思います。
本当に納得した上でインプラント治療を受けて欲しい
また、インプラントの治療というのは、治療に時間が掛かるものでもあります。逆に言えば、「長い時間を掛けられる余裕のある治療=1分1秒を争うものではない」のです。
なので、ご自身の意見や考えを述べるとともに、「医師が勧める治療内容の是非」や、「メリットとデメリット」などを、ご自分でしっかり把握し、納得してから始めるようにしてください。
セカンドオピニオン・サードオピニオンをオススメします
そして、ご自身だけで判断するのが難しい場合には、遠慮することなく、セカンドオピニオン、サードオピニオンを受けることをお勧めしています。当院でも、インプラントのセカンドオピニオンを行っております。
また、当院では、しっかりとした手順を踏み、間違いのない治療を行っていますので、インプラントのことでお困りの方や、疑問や質問をお持ちの方は、ぜひ一度、ご来院ください。
ケア不足は「トラブル」ではありません
インプラントを入れた後は、しっかりとしたケアや、定期的なメンテナンスが必要です。
そういったことをせず、放置してしまった場合には、埋入の状態がどんなに良くても、ある程度の年月の後にはインプラントが使い物にならなくなるのが当然です。
それは、歯科医院の責任ではありませんし、ここで言う「インプラントのトラブル」とは別の話になりますので、ご注意ください。