他の医院でインプラントをインプラントを断られた人へ ~骨の量が少ない~

前回のブログで、インプラントが出来ない原因として、歯科恐怖症や嘔吐反射、パニック障害の方の例をご紹介いたしましたが、今回は、2、の

・骨が少なすぎる
・骨の質が良くない 

と言った理由でインプラントが出来ない方への対処法をお伝えさせて頂きます。

インプラントという治療法は、顎の骨に人工歯根であるインプラント体を埋め込む治療法ですから、当然、その顎の骨が厚く、丈夫であれはあるほど、インプラント治療を安全に行うことが出来ます。

しかし日本人は、西洋人と比べて骨が薄く、あまり丈夫ではないという性質があるため、当院にも、「骨が足りない、薄いという理由でインプラント治療を断られたという方が多く相談に来られます。

そのような場合、当院では、骨の再生手術を行う事で、インプラントを埋入出来るだけの骨を作ってからインプラント手術を行います。

骨の再生には、いくつかの手法があります。

1、サイナスリフト(上顎洞底挙上術)

サイナスリフトとは、上あごの歯槽骨の薄い部分の上顎洞底部に、骨の移植をしたり、再生療法などで骨造成を誘導する治療法です。

サイナスリフトは、骨造成が多くできる事と、目で確認しながら手術できるというメリットがありますが、反面、手術の難易度が高い事、骨が出来るまでに6ヶ月~1年かかるため、患者様の精神的、肉体的な負担が大きい事というデメリットもあります。

その為、骨を多く再生する必要がある場合(歯槽骨の高さが5ミリ未満の場合)にサイナスリフトを使い、歯槽骨の高さが4ミリ以上ある場合は、次で紹介するソケットリフトを用いることが一般的です。

2、ソケットリフト (上顎洞底挙上術)

ソケットリフトもサイナスリフトと同じように、上あごの歯槽骨の薄い部分の上顎洞底部に骨を作る治療法ですが、サイナスリフトが歯が生えていた部分の側面の歯ぐきからアプローチするのに対し、ソケットリフトは歯の生えていた部分、もしくは歯を抜いた時に出来た穴からアプローチすると言ったその手法の違いがあります。

この手法を採用すると、骨の移植と同時にインプラントを入れることが出来るため、サナスリフトよりも短期間で治療を終えることあができます。

ただし、骨を作れる範囲が限られるという事、治療を受けられる人が限られるというデメリットもあります。

3、GBR法(骨誘導再生法)

以前のブログで、歯周組織を回復させる方法としてGTR法をご紹介させて頂きましたが、GTR法では、骨を含む歯肉などの組織まで回復させるのに対し、GBRは骨だけの再生を促す治療法です。

具体的には、骨が不足している部分にバリアメンブレンとよばれる膜を覆うことで骨を作るスペースを確保し、その中に、骨のもとになる素材を詰めて、骨の再生を促していきます。

サイナスリフトやソケットリフトは上顎の骨を増骨するための治療法ですが、GBR法は下顎の増骨にでも使うことが出来ます。

それぞれどの方法がベストかは実際の症状を見てみないとわかりませんが、もし、「骨が無いからインプラントが出来ない」と断られてきた場合は、上記の様な治療法を実施している医院様に相談されてみたらよいかと思います。

当院でもさまざまな骨再生療法治療を実施しております。