インプラントを埋め込むことはできたが、骨とくっつかなかった場合をみていきます。
せっかくインプラントを埋め込んだものの、骨とくっつかなかったとしたら、
歯科医にとっても患者さんにとっても、とても残念な結果としかいいようがありません。そうなってしまう原因もまたいくつかあります。
第1の原因は、ドリルの熱によるものです。インプラントを埋め込むための穴をアゴの骨に開ける際、ドリルの回転数が高すぎて熱を発し、骨細胞が死んでしまうことがあるのです。実は、骨細胞はかなり熱に弱く、42℃程度で死んでしまいます。
そうならない対処法は、骨を削る際に十分に注水して、冷やしながら行うことです。
このミスについては歯科医の初歩的な技術不足といえます。
第2の原因は、患者さんの骨密度が低すぎて、骨細胞がインプラントをしっかり取り囲んでくれなかった場合です。この対処法は、骨をコンデンス(濃縮)して骨の密度を上げたり、HAインプラントを使うことです。
HAインプラントというのは、通常のインプラントがチタン100%でできているのに対し、
材質は同じチタンでも表面に特殊なコーティングが施されており、骨とインプラントが密着するまでの時間も通常のインプラントよりも短くてすむ特性もあります。