インプラント治療がうまくいかないと誤解されている場合も多いと思います。現在はうまくいかないケースの方がはるかに少なくなっています。
確かにインプラントが歯科臨床に応用され始めた当時は、ブレード(プレート)タイプのインプラントや骨膜下インプラントが主流であり、実践的な情報も少なかったために成功率は高いとはいえませんでした。
しかし、現在のチタンベースの歯根型(ルートフォーム)インプラントが主流になってからは10年以上経過の長期症例で90%以上の成功率を誇っています。これはクラウン・ブリッジ、入れ歯など従来の歯冠修復治療と比べても優れているのです。
チタンという金属は生体内での安定性がとても高く、骨との正着状態はオッセオインテグレーション(骨統合)と定義されて高い評価を得ています。このオッセオインテグレーションという概念が近代インプラントの歴史を塗り替えたといっても過言ではありません。
このことからチタン製の歯根型(ルートフォーム)インプラントは「オッセオインテグレーション・インプラント」とも呼ばれます。
オッセオインテグレーション・インプラントの原型となるシステムは1965年にスウェーデンで最初に歯科治療に応用されました。
この患者さんは現在も健在で、インプラントもまったく問題なく機能しています。これはある意味、天然歯の寿命にも迫る勢いなのです。
その後のオッセオインテグレーション・インプラントは、さらに改良されて生体内安定性や維持力、美しさも数段高まっています。