上顎の骨がない場合のサイナスリフト法1

上顎の場合は、骨が柔らかく薄いので、どうしても骨を増やす何らかの外科的な処置が必要なケースが多いです。

骨を増やす方法はボーングラフト、メンブレンで骨を作る方法、ディストラクションなど様々開発されていますが、上顎臼歯部(奥歯)で比較的よく行われるのは、サイナスリフトという方法です。

特に難しいのは、上顎の臼歯部の骨がない場合です。上顎には上顎洞(サイナス)があります。サイナスは、上顎の歯槽骨の上部にある大きな空洞で、それが鼻腔へとつながっています。頬のあたりを触ってみると、頬骨の下あたりにくぼみが感じられる場所がありますが、それがサイナスです。

歯を抜くと骨が頬側(きょうそく)から吸収されます。つまりサイナスは外側から内側に向けて吸収するだけでなく、含気圧といって息を吐くときに呼気の圧力がかかります。

この鼻から抜ける空気の圧力のためにサイナスが大きくなります。歯を抜くと骨が吸収されるだけでなく、内側から押されるのでますます骨の高さがなくなり、インプラントは埋入できなくなります。

このサイナスの下底を再度引き上げることで、インプラント体の埋入場所を確保しなければなりません。