美しく仕上げるポイント1

審美の基礎になるのは、骨に高さがあること、正しい歯肉の厚みと見た目の美しさです。これに正しい位置にインプラント体を埋入することで完成しますが、この環境を整えることが難しいのです。

特に、上顎の前歯の場合、骨がしっかりしていないと歯肉が陥没することがあります。笑っても歯肉が見えない場合は問題ありませんが、歯肉が見えるケースでは見た目が悪くなります。だからこそ、歯肉と骨の両方を作る必要があるのです。

また、数多くの歯が欠損した場合は、時間が経てば経つほど、歯肉の委縮と骨の吸収が進むので、元に戻すのが難しくなります。そのうえ、歯が5本抜けたといっても、インプラント体を5本埋入すると仕上がりが悪くなります。

特に、隣のインプラントとの距離が短いと骨が吸収されてしまうことがあります。インプラント体とインプラント体が近づけば近づくほど、骨は深く吸収されてしまうことが確認されています。このためインプラント体同士の幅は、最低3ミリ必要であるといわれています。

もし、インプラント体とアバットメントの連結後期の骨吸収1.5ミリメートルが始まったとしても、3ミリの間隔があれば隣の骨には影響が出ません。歯肉の厚みも3ミリなければその差を埋めるために骨が吸収されるということがわかっていますので、3ミリ以上の歯肉厚が必要です。