歯科治療もドッグイヤーの時代を迎えているようです。早く簡単に便利にという要求に対して、新しい技術が開発されています。「1時間以内完成インプラント治療」です。
ベルギーのスティンベルグ教授が、2002年に発表した論文がベースになっているもので、コンピュータ上でシミュレーションをして、事前にイメージ手術をやることで時間短縮を可能にしました。
最近は脳外科や心臓外科など難しい手術であればあるほど、事前にCTを撮り三次元的に患者さんの手術部位を確認し、治療に際してどこからどのように手術すればいいかをコンピュータ上でシミュレーションして、その結果をもとに、本格的治療を決定しています。
インプラント治療においては、仮歯ではない正式な歯を作るのに時間がかかるために、どうしても短時間に完了することは難しかったのです。
そこで考え方を変えて、事前に正式な歯を患者さんに合わせて作っておき、その歯に合わせてインプラントを埋入するという方法が研究されました。
事前にCTを撮影し、コンピュータ錠で上顎なり下顎なり治療する場所を特定し、解剖学的に、どれぐらいの深さでどの方向にどのようにインプラントを埋入すればしっかりと固定することができるかを探ります。
その情報をもとに、コンピュータ上にモデルを作りインプラント体を置くことで、インプラント体が入った模型ができます。歯肉の厚みが何ミリであるかもわかっていますので、歯肉も被せた状態でまず歯を作ります。
そのモデルをもとに、インプラント体を埋入する場所の穴が空いているテンプレートをプラスティックで作成します。