人生は何が起こるかわかりません。いきなり転倒して歯が折れてしまうこともあります。
このように、歯が抜けたばかりのところに、すぐにインプラント体を埋入する技術もあります。
歯が抜けたあとに、いきなりインプラント体を埋入する場合は、抜けた後の穴の大きさが問題です。
歯の抜けた穴は大きいので、インプラント体を埋入しても隙間ができます。隙間が1.5ミリ以内で、深さが3ミリ以内なら穴の中に何も入れなくても骨ができて埋まってくるといわれています。ところが、それ以上の大きさでは、本人の骨と骨補填剤を入れて骨を作る必要があります。
歯の抜けた穴にインプラント体を埋入し、その周囲に骨と骨補填剤を入れて周囲を埋めます。このままでは骨補填剤が出てきてしまうので、口蓋の内側から結合組織を取ってきて歯肉に定着するまでの仮の蓋をします。
これにより、骨がしっかり再生され、しかも中の骨補填剤が飛び出してくることありません。
もし、この技術を使わないと骨が盛り上がりませんし、インプラント体が安定しません。
歯が抜けたばかりの患者さんには、短時間で治療するのが理想ですので、一日といわず、一時間で仕上げる方法を用います。
抜いた歯の場所にインプラント体を植えて、すぐにアバットメントを連結して、樹脂の仮歯を被せて機能させます。咬合調整が適切であれば、98症例で98.9パーセントの成功率の報告もあります。