歯肉に適切な盛り上がりを作り、隣の歯肉とマッチした形を作り上げます。上から見ると、インプラントを頂点とした逆三角錘になるように歯肉を形成します。この歯肉の形成を行わないと、歯肉からインプラントの根が飛び出して見えるほど、長くなってしまいます。
また、歯を装填するアバットメントをポーセレンにすることで、根元も自然な白さになり、歯肉の色と艶とふくらみも同じように仕上がります。骨と歯肉のハーモニーは、こうして作り上げるのです。
年を取ってくると、どうしても歯肉が下がるので、歯肉と骨を同時に作ることできれいな仕上がりを目指します。人の歯は色や傾きや出っ張り具合、欠損形態も全部違います。中には歯が割れて歯肉や骨まで炎症を起こして抜歯後大きく骨が欠損する場合があります。
そうしたケースに対しては、骨を補填してメンブレンで覆って移植骨の吸収を抑えながら骨を作ります。歯肉の幅も増えるようにメンブレンで補修します。全体のバランスを見て、歯芽のガムライン、歯肉のラインも全部揃え、歯芽の10.5ミリのラインを揃えて仕上げます。
こういった必要と思われるすべての治療を実施するのが、審美です。補填の理論と骨の再生、歯肉の形成など外科の理論も全部わかっていないとうまく仕上げることができません。偶然できるわけではなくて、狙って、目標をもって治療しているからこそ、美しい仕上がりになるのです。