「犬でのインプラントが成功したのだから、自分もやってみたい」と言い出した人がいます。
スウェーデンの整形外科医、ヨスタラーソン博士、31歳です。
科学者的な好奇心に加え、骨変形症のため歯がほとんどなかったので、若い頃から総義歯だったという理由もあり、彼はブローネマルク博士にインプラント埋入を依頼しました。治療は、1965年9月に行われました。
しかし、犬からいきなり人間への実験です。そっくりそのままの方法では、うまくいかないのではないかと考えました。というのも、細い顎の骨にインプラント体を埋入すると折れるのではないかと思ったのです。
そこで、下顎に7ミリのチタンのインプラント4本を埋入しました。
インプラント体が骨にくっつくまで、4ヶ月から6ヶ月間、放置する必要があります。
チタンが骨にくっつくのを待って、その後上部の歯をつけました。
インプラントは入れ歯と違って取り外す必要がない上に、噛む力をインプラントが受け止めるので、残っている自分の歯に余計な負担をかけずにすむという利点があります。