前回のブログでは、出来るだけ歯を残す治療法として”GTR法(組織再生誘導法)”をご紹介させて頂きましたので、今回はもう一つの方法、”エムドゲイン”について書かせて頂きます。
エムドゲインとは、簡単に言うと、歯周病により骨を失った部分に薬を塗ると、本来備わっている再生能力が発揮され、骨が再生される、というものです。
この薬は、子供の頃に歯が生えてくる時、重要な働きをするタンパク質の1種を、幼弱な豚の歯の芽から抽出精製したもので、現在は世界40カ国で使用されています。
安全性についても、高い水準で管理されているため、世界各国で使用されていながら、未だ感染症の報告も有りません。
エムドゲインは、歯が生えてくる時と同じ環境を作りだすことによって、再度、骨を再生させる方法ですので、初めて歯が生えてきた時と同じような強固な組織を作り出すことが出来る非常に有効な治療法と言えます。
治療の流れとしては、
1、麻酔後、歯肉を切開します。
2、歯根面についている歯石などを取り除き、徹底的に清掃します。
3、骨を失った部分にエムドゲインを塗ります。
4、切開した歯肉部分を縫合します。
という流れになります。
手術自体は、約1時間ほどで終わりますが、機能的な歯周組織を取り戻すまでには個人差にもよりますが、数ヵ月から1年程度かかります。
術後のアフターケアもとても重要な要素となりますので、必ず定期的な検査をして貰って下さい。
また、このエムドゲインによる治療は、すべての症例に適応できるわけではございません。
更に、健康保険の適応外になりますので、自費治療になります。
ご自身の症状が適応かどうか、信頼できる歯科医師と相談の上、治療を受けられることをおススメいたします。
当院では、インプラント治療はもちろん、出来るだけ歯を残すための最善の治療を提供しております。