気になる治療期間と通院の回数について

治療期間が一体どれくらいかかるのかも気になるところでしょう。

インプラント治療の方法によって多少の違いはありますが、一般的なインプラント治療の場合では、下あごで3ヶ月半、上あごで4ヶ月半くらいです。上顎洞を持ち上げるなど特殊な手術がともなう場合は、プラス1~6ヶ月かかるとお考えください。

このプラスにかかる期間中は、治療のための通院は必要ありません。インプラントと骨が結合するのを待つだけです。

通院回数についても、比較的多い質問です。これは1回法と2回法で異なります。
1回法、2回法というのは手術方法です。
1回法というのは主に簡単なケースでの手術方法で、インプラントの頭の部分を歯ぐきの上に出した状態で手術を終える方法です。

対して2回法は、前歯の場合やGBR法(骨を増やす手術法)、上顎洞を持ち上げる手術をした場合などに行う方法で、インプラント本体をいったん完全に歯ぐきの中に埋め込んでしまいます。そして、しっかり骨と結合したところで、インプラント本体の頭の部分を歯ぐきから露出するための手術を行います。よって手術は2回、そのため2回法というわけです。

1回法では「検査、手術、消毒、型とり、かぶせ物(上部構造)装着」の計6回程度の通院が必要になります。
2回法の場合は、さらに2次手術などが伴い、プラス1回の通院が増えて計7回程度になりますので、参考にしていただければと思います。

手術をした当日にしてよいこと、いけないこと

まず、手術した当日に食事をしてOKか。
答えはOKです。但し、インプラント手術をした部位の反対側で噛むことをおすすめします。

食べた後の歯磨きはどうすればよいか。1週間から10日くらいは、歯ブラシを使うのは控えたほうがよいでしょう。特に手術をした部位周辺はデリケートになっています。歯ブラシがあたると、傷口を縫い合わせている糸がほつれることがあります。傷口がくっつきにくくもなります。歯ブラシの代わりにうがい薬を患者さんに渡している場合もあります。食後と寝る前にうがいをすれば、歯磨きの代わりになります。

手術当日の入浴はどうでしょうか。これは、なるべくなら避けていただきたいと思います。
理由の1つは、口の中を感染させるリスクを回避してほしいからです。もう1つの理由は、長風呂や熱めの風呂は、血流を活発にします。すると痛みや出血を引き起こすおそれがあるのです。同じ理由で、飲酒も避けてください。

ビジネスマンにとっては、仕事ができるかどうかも気になるのではないでしょうか。手術当日はひどく疲れるような仕事は避けたほうがよいでしょう。けれども軽い仕事などは、特段問題ありません。

では、運動はどうでしょうか。これもすすめられません。激しい運動は血流を盛んにします。やはり痛みが出たり、出血の原因になりますから、避けてほしいと思います。

手術には一体どれくらいの時間がかかるのか

痛くないことを理解していただくと、次に患者さんが口にするのは、「手術は一体どれくらいの時間がかかるのか」という質問です。

インプラントを埋め込む本数にもよりますが、1~2本であれば、20分~40分以内に手術は終わります。この時間は純粋な手術時間ですが、手術前の投薬や血圧測定を加えたとしても、だいたい長くみて1時間~1時間半くらいです。埋め込む本数が多い場合でも、プラス30分もみていただければ大丈夫でしょう。しかしこの数字は、あくまでも標準的な手術時間です。目安にしていただくと良いかと思います。

ちなみに、「手術中、ずっと口を開けっ放しなの?」と心配されるかもしれません。1時間ずっと口を開けているのは確かに大変です。これも参考までですが、患者さんにはこまめに口を閉じてもらい、休憩していただくことも可能です。

たとえば麻酔が効く間や、器具の付け替えなどのタイミングで声を掛けて、口を閉じてもらうことができます。こういった細やかな配慮も良い歯科医院かどうかを見極めるポイントになるかもしれません。

インプラント治療の成否は歯科医院選びで決まってしまう⑧

【患者さんを思いやる、人間性を持った医師であること】
最後のポイントは、とても情緒的な部分ですが、この点もまた医院選びにおいて絶対に軽視できない点だと確信しています。

治療技術を持った医師であることを前提に申しますと、たとえどんなに治療技術に長けていても、患者さんに冷たい先生や、患者さんの気持ちを考えてくれない先生だったらイヤなものです。

本当に人間として信頼できる医師であるかどうかは、その医師との会話からわかると思います。
その先生に人間的魅力を感じたなら、治療を受けることを決心していいかと思います。そもそも、腕の良い本物の医師であればあるほど、人格においても素晴らしい場合が多いものです。

インプラント治療の成否は歯科医院選びで決まってしまう⑨

【患者さんを思いやる、人間性を持った医師であること】
最後のポイントは、とても情緒的な部分ですが、この点もまた医院選びにおいて絶対に軽視できない点だと確信しています。

治療技術を持った医師であることを前提に申しますと、たとえどんなに治療技術に長けていても、患者さんに冷たい先生や、患者さんの気持ちを考えてくれない先生だったらイヤなものです。

本当に人間として信頼できる医師であるかどうかは、その医師との会話からわかると思います。
その先生に人間的魅力を感じたなら、治療を受けることを決心していいかと思います。そもそも、腕の良い本物の医師であればあるほど、人格においても素晴らしい場合が多いものです。

インプラント治療の成否は歯科医院選びで決まってしまう⑧

【治療後のメンテナンスがしっかりしていること】
基本的にインプラントは、歯周病になりさえしなければかなり長持ちします。
インプラントの10年後の残存率は95%です。残りの5%の原因は歯周病です。歯周病は、土台の骨を溶かしてしまいます。

歯周病は、天然歯を失う一番の原因です。これはインプラント治療にもあてはまります。インプラントは、天然歯と違ってむし歯にはなりませんが、歯周病の脅威は天然歯と同様です。

せっかくインプラント治療をしたにも関わらず、歯周病で失ってしまうのは、あまりにももったいないことです。
歯周病の予防には、治療後のメンテナンスがものをいます。インプラントの寿命を延ばすためにも、手術後の定期検診を行っている歯科医院であるかどうかも確認していただきたいと思います。

たとえば手術後は3~4ヶ月おきにPMTC(洗浄器具を使ったクリーニング)を行うことは重要です。これを行うことで、インプラントも天然歯も、長持ちするようになります。

メンテナンスをしっかり行っているかどうかは、患者さんに対する歯科医院の姿勢をあらわしています。メンテナンスにも手を抜かない歯科医院は信頼できます。定期検診体制をきちんととっている歯科医院を選ぶようにしてください。

インプラント治療の成否は歯科医院選びで決まってしまう⑦

インプラントを1本15万円などの低価格で提供している医院があります。そういう医院は、表向きは経費削減とか、大量仕入れとか、宣伝広告費の圧縮とか言っておられますが、この金額で丁寧で精密で、そして患者さんのことも考えたインプラント手術を実施するのは、かなり無理があります。

そういった医院の実態は、薄利多売方式になっており、治療の質の大幅な低下、難症例への対応不備、あるいは失敗、そして訴訟を多く抱えているというのが現状です。実は、宣伝広告費もたくさん使っています。保証のないところもあります。

なかには、かぶせ物の質を落としたり、アジア製のコピーインプラントを大量に仕入れてスウェーデン製と言ったりしている医院もあり、こうした歯科医が誠実でないことだけは明白です。

安さを売り物にしている医院にかかるのは、以上の理由で考え直したほうがいいと思います。
あとそれにつけ加えて、高い安いだけの話ではありません。その歯科医院が提示している価格が細かい明細まで表示され、透明性があるかどうかなのです。

「○○万くらいでしょう」というようなあいまいな説明ではなく、治療内容に応じた判りやすい価格をきちんと提示してくれるかどうかを確認してください。

インプラント治療の成否は歯科医院選びで決まってしまう⑥

【治療費の安さを謳い文句にしていないこと】
インプラント治療は自由診療のため、保険が適用されません。それゆえ、通常の歯科治療の感覚からすれば、インプラント治療の費用はどうしても高価になります。誰でも費用に関してはシビアですから、少しでも安い歯科医院を見つけて、それを決定材料にしたくもなります。しかしここで冷静に考えてみてください。

インプラント治療は自由診療なのですから、歯科医の裁量で価格設定ができます。それなのに、安くしているのはなぜなのでしょう。

患者さんを集めるために、安さを謳い文句にしているとしても、安くできるだけの理由があるはずです。そのことを疑ってみることも、時には必要です。むろん高ければ安心と安直に思うことも危険ですが、しっかりしたインプラント治療を受けようと思えば、おのずと適正価格は決まってくるものなのです。

インプラント治療の成否は歯科医院選びで決まってしまう⑤

骨を立体的に見られるのは、CT撮影だけなのです。
そのことは、どの歯科医でも重々承知しているはずです。

ではなぜ、CTスキャナーを備えていない歯科医院が多いのか。答えは単純です。
CTスキャナーは高価だからです。1台で3000~4000万円ほどします。所有しようと思っても、そうやすやすと導入できるものではないのです。

しかし、これだけ高価な設備を医院内に備えているならば、その歯科医院がインプラント治療に対して真剣に取り組んでいると言えるだろうことは分かるでしょう。本気度も習熟度もかなり高く、勉強もしっかりしているはずです。

ですから、CTスキャナーのあるなしが、より良い歯科医選びの最も判りやすい基準になるのです。

CTスキャナーを備えている歯科医院であれば、ホームページに記載することが多いので、ホームページをチェックしてください。また、訪ねて行って率直に聞いてみるのもいいでしょう。

インプラント治療の成否は歯科医院選びで決まってしまう④

【CTスキャナーなどの最新設備があること】
その歯科医院がインプラント治療技術に長けているか、高い習熟度を持っているかを判断するのに、非常にわかりやすいポイントがあります。それはCTスキャナーを医院内に備えているかどうかという点です。

CTスキャナーとは立体的に骨の状態を撮影する設備で、インプラント治療には欠かせません。CT撮影なしでインプラント手術をするのは、海図を持たずに航海に出るようなものです。

インプラント治療の手術で大切なポイントは、患者さんの骨の状態を正確に把握することなのです。そして、どこにインプラントを埋め込むべきか、あらかじめ計画を立てることなのです。
この過程なくして、その患者さんにとって、適切な治療は行えません。なぜなら、骨の形状や密度には個人差があるからです。
患者さんの状況に応じて、手術は行わなければなりません。
おそらくどの歯科医院にもレントゲン設備はありますから、事前にレントゲン撮影は行うでしょう。

しかし、これだけでは骨の状態が平面でしか判りません。