インプラント治療の成否は歯科医院選びで決まってしまう③

【常に勉強する意識を持っていること】
インプラント治療の技術をもちろんのこと、医療の進歩は日進月歩です。医師にとって、この技術と知識さえあればOKということはありませんので、安住しているわけにはいかないのです。日々の技術の進歩についていくための努力も、常に医師に問われる部分です。

前向きな医師は、学会や講習会、研修会に積極的に参加し、世界中で次々と発表される最新の論文を読むことを怠りません。

確かに、これから治療に通おうと考えている段階で、医師の積極性を見極めることは難しいのですが、たとえば待合室に貼ってあるサティフィケート(研修修了書)なども参考にしてください。

【インフォームドコンセントがきちんとされていること】
インフォームドコンセント。この言葉は、最近ではずいぶん広く知れ渡り、多くの方々に定着しています。
もともとこの考えは、1970年代のアメリカの医療界で広まり、日本では1990年代から使われるようになりました。

言葉の意味は、医師が患者さんに対し、これから受ける治療の内容や方法や効果、危険性、その後の影響、治療に必要な費用などについて、十分かつ丁寧に、わかりやすく説明をすることを意味します。一方的な説明ではなく、患者さんが理解し、同意(納得)することまでを含んでいます。

インプラント治療は高度な治療方法です。それだけに、このインフォームドコンセントを周知徹底している歯科医院でないと、信頼すべきではないと思います。

インプラント治療の成否は歯科医院選びで決まってしまう②

なぜ治療回数が少ない医院が多いかと言いますと、簡単なインプラント治療しかできないため症例数が乏しくなるケースが挙げられます。または、あまり自信がないため、患者さんに強くすすめられない、あるいは患者さんが少ないという歯科医院もあるようです。

ひどい歯科医院では、インプラント治療を行うときだけ知人の歯科医に手術道具を借りている人もいます。ちょっと冷や汗が出るような話です。
そんな歯科医でも、貫禄があって堂々としていると腕の良い医師に見えてしまいます。外見に惑わされてはいけません。

思い切ってこう尋ねてみてください。「こちらの医院は、月に何回くらいインプラントの手術を行っているのですか?」と。
そこで困ったような顔をしたり、あいまいに答えをぼやかしたりするようであれば、治療を受けるのはちょっと待って、検討し直すべきでしょう。
医師には、患者さんの質問に答える義務があります。明快に答えられないということは、答えられない理由があるに違いありません。

では、具体的に月に何回の手術を行っている歯科医院であれば、信頼するに足るのでしょうか。
理想の回数は、月に30回ぐらいだと思います。

少なくとも、毎月10回程行っていることがボーダーラインだと思います。その程度の回数を答える歯科医なら大丈夫でしょう。

手術は、あまり間隔が空くようでは感覚を忘れてしまいますし、技術向上が図れません。コンスタントな経験だけが、医師の腕を磨くのです。

インプラント治療の成否は歯科医院選びで決まってしまう①

インプラント治療の成否は、歯科医院選びの段階でほぼ決まってしまいます。治療がうまくいくかどうかの分かれ目は、実はすでにそこにあります。

では早速、歯科医院を選ぶ基準をお教えしましょう。
次の条件が揃っている歯科医院であれば、信頼し、安心し、治療を任せてよいと思います。

【実績が豊富であること】
まずはインプラント認定医であることは、最低限の条件です。認定医であれば、認定医であることを隠すメリットがないため、ホームページや案内に記載するはずですので事前に確認してください。
インプラント治療を行います、という看板を出している歯科医院は少なくありません。
ところが現実問題として、たしかにインプラント治療は行っているものの、年間の治療回数は数本という医院が、実はかなり多いのです。明らかに経験値が乏しい。治療を任せるのなら、誰しも経験豊富な医師にお願いしたいのではないでしょうか。

医師の技術は千差万別、歯科医院選びは慎重に

もしも今、次のように思っていらしたら、今後はその考えをあらためてほしいと思います。

「歯医者なんて、みな同じ。ほとんど腕は変わらないでしょ?だから通院しやすい近所の医院に通えばよい。」
そう考えている方を、とりたてて責めることはできません。なぜなら多くの人が実際にこのように思っているからです。

たとえば、すごく高価な買い物をこれからするとしましょう。クルマでも高級腕時計でもいいでしょう。そのような場合、皆さんは丹念にどこの店で買うべきか、検討するのではないでしょうか。その店は専門知識を十分に持っているのか、保証制度がきちんとしているのか、アフターケアは行き届いているのか、などなどです。

しかし歯科医院に限らず、病院通いをするケースでは、なぜだか真剣な医院選びを行わず、どこでもそんなに変わらないよ、となってしまいます。自分のカラダのことだというのに、これはとても不思議な心理です。

医師の技術には差があります。厳しく言うと、玉石混交なのです。人間が携わるわけですから、差があるのは仕方のないことなのです。そのことをうっかり見逃し、忘れてはいませんか、ということです。

状況に応じた、その他のインプラント治療法④

【ドリル無しのインプラント】
ドリルを使わずに(厳密には従来使用比の90%減)インプラントを埋め込める画期的な治療方法です。

インプラントの手術で多くの患者さんが恐怖心を抱くのは、ドリルを使う点にあるようです。ドリルというと、およそ手術らしくない響きのする言葉ですから、想像力がふくらんで余計に心配が募ってしまうのでしょう。
そのため、インプラントの手術は、高血圧の患者さんや怖がりの患者さんには、手術ができない現実がありました。

しかし、2006年についにドリルを使わずにインプラントを埋め込めるように技術革新がなされました。
このドリルを使わないインプラント治療は「OAMインプラント」といいます。
ドリルを使わない分、治療には少し時間がかかりますが、怖がりの患者さんにはうってつけの方法だといえるでしょう。

状況に応じた、その他のインプラント治療法③

【即時荷重インプラント治療】
インプラントを埋め込むのと同時に、その日に歯までかぶせてしまう方法です。歯が入るばかりでなく、その日のうちに噛むことができるようになります。

オールオンフォーの技術が、この即時荷重インプラント治療にあたります。オールオンフォーは、総入れ歯の患者さんにインプラントを4本埋め込み、ただちに人工の歯を12本入れる方法だと説明しました。しかしもちろん、単独の歯にもこの方法は採用できるのです。

ただし、骨の質があまり良くない状態の方には向いていません。たとえば、骨がすごく柔らかいとか、骨の量が少ない場合などです。アゴの骨の状態によって判断することになるでしょう。
患者さんの骨の状態を的確に判断できる歯科医であれば、即時荷重インプラントを推奨するはずです。

【磁石を使ったインプラント】
インプラントを埋め込んだ後、そのインプラントに磁石を取り付け、入れ歯の側にも磁石を付けることで固定する方法です。この治療方法も、メリットからあげてみましょう。
・手術が簡単(埋め込むインプラントの本数が少なくて済むため)
・費用が安い(インプラントの本数が少ないため)
・治療期間が短い。かぶせ物(上部構造)を入れる治療が必要ないため、治療期間が短縮できる。
・手術の負担が少ない。
・通常の入れ歯に比べ、噛む力はかなり強くなる。
・通常の入れ歯よりもコンパクトにできるので、装着の違和感が少なくなる。

しかしながらデメリットも否めません。
・入れ歯そのものの煩わしさから解放されるわけではない。よって、入れ歯自体に精神的や機能的な嫌悪感を持っている人には向かない。
・噛む力はたしかに高いが、通常のインプラントほどの間に力は発揮できない。

この2点のデメリットを、患者さん本人が問題視しないのであれば、非常によい方法だと言えます。費用の軽減と、手術の負担を軽減できる点は、とても魅力的です。

治療の具体的な流れについても説明しておきましょう。
【磁石を使ったインプラントの治療手順】
1.通常のインプラントをアゴの骨に埋め込む。
2.インプラントと骨が結合したら、インプラントに磁石を取り付ける。
3.入れ歯にも磁石を取り付けておく。
4.インプラント側の磁石と、入れ歯側の磁石が強固にくっつくことで、安定感にすぐれ、ビクともしない入れ歯ができる。

状況に応じた、その他のインプラント治療法②

数年前まで、この抜歯即時インプラント治療は大変難しいとされてきましたが、最近では技術革新が図られ、採用している歯科医院も増えてきているようです。

多くの歯を一手に支える治療方法の代表選手がオールオンフォーとするならば、1本や数本といった部分的なインプラント治療の代表選手が抜歯即時インプラント治療で、多くの患者さんに胸を張っておすすめできる手術方法です。

従来は、抜歯後6ヶ月経たないとインプラント治療ができないと考えられてきました。今でもそのように認識している歯科医は多いです。抜歯後は一時的に骨が少なくなるため、骨の回復を待つために6ヶ月間待つべき、と考えられてきたからです。

しかし実際は、骨は回復しても骨の量そのものは減って回復するのです。以前と同じ量にまで回復することはありません。そのため抜歯と同時にインプラントを埋め込んだほうが、かえって骨の減少を防ぐことができるのです。

良い点ばかりをあげてきましたが、抜歯即時インプラント治療にはデメリットは無いのでしょうか。デメリットは特にありませんが、歯を抜いた後の骨の量が少なすぎる場合や、抜いた歯の周りの病巣が大きい場合は、インプラント治療ができないときもあります。その場合は、GBR法(骨を増やす処置)をしたり、骨が自然に回復するのを待つことになります。

状況に応じた、その他のインプラント治療法①

インプラント治療には他にもまだ優れた方法があります。
患者さんの状況に応じ、最適な方法を選択できるのです。

【抜歯即時インプラント】
文字通り、歯を抜くと同時にインプラントを埋め込む方法です。治療内容を説明する前に、この方法のメリットを並べてみましょう。
・抜歯直後は、生体の治癒機能が旺盛になるため傷口が治りやすい。抜歯した部分の骨も回復が早い
・抜歯してから時間が経ってしまうと(たとえば従来のインプラント手術で5~6ヶ月)、骨が垂直的に吸収される(溶ける)が、この抜歯即時法では起こらない
・手術では切開、剥離を行わないため、手術の負担が減る
・早期に審美性が回復し、また歯グキの形が温存されるため、見た目がかなり改善される
・治療期間の大幅な短縮
・抜歯と同時にインプラントを埋め込めるので手術回数が減り、患者さんの負担が減る

「オールオンフォー」には、たくさんのメリットがあります③

~オールオンフォーの治療の流れ~

オールオンフォーの治療の流れを紹介します。およそ9のステップがあるとお考えください。あくまでも一例ですが1つの目安になると思います。

【ステップ1】
まずは初診です。ここでは、口腔内の検査、レントゲン検査、治療法の相談、費用と治療期間の説明などを行います。患者さんにあらゆる面でご納得いただいた上で、次のステップへと進みます。

【ステップ2】
手術当日に入れる仮歯を作るための型取りをします。必要があれば、仮歯製作のステップは2回かかることもあります。

【ステップ3】
オールオンフォーの手術をします。麻酔専門医による静脈内鎮静法を行うことがあります。オールオンフォー・インプラント植立後、仮歯を入れます。

【ステップ4】
手術の次の日に、医院にお越しいただき、そこで噛み合わせの調整と消毒をします。

【ステップ5】
手術後、約10日たったところで抜糸をします。

【ステップ6】
もし仮歯に違和感や不具合があるようでしたら、必要に応じて仮歯の調整を行います。

【ステップ】
手術を行った日から6ヶ月後に、最終的に入れる被せ物(上部構造)の型取りをします。

【ステップ8】
最終的な型取りをしてからおよそ3~4週間後に、かぶせ物(上部構造)を入れます。

【ステップ9】
その後は、3~6ヶ月後に一度のメンテナンスに入ります。

「オールオンフォー」には、たくさんのメリットがあります②

下アゴで4本、上アゴで4本(場合によっては5~6本)のインプラント埋入で済むので、とても経済的です。

オールオンフォーではない治療であれば、一般的に下アゴ、上アゴとも10本程度のインプラントを埋め込む必要があります。当然インプラントの数だけ費用がかさみます。

オールオンフォーであれば、埋め込むインプラントの数が決まっているので、最初から治療費の見通しも立てやすくなります。
オールオンフォーの場合、かぶせ物(上部構造)の設計上の自由度が高いため、審美的にも患者さんが納得できるきれいな歯を入れることができます。

このようにオールオンフォーは、非常にメリットの多い治療法なのです。