次に、インプラント治療の短所をあげておきましょう。
短所1 外科手術を含め、長期の治療期間が必要
第一にあげられるのは、治療期間が長いという点です。
というのはインプラント治療が「外科手術」と「補綴治療」の両者が必要であると同時に、「人工臓器」の性格も併せ持っているからです。
まず、精密な診査・診断と治療計画に十分な時間が必要です。インプラント体が歯槽骨と完全に結合するには時間がかかり、それからアバットメント、そして上部構造を取りつけるという手順になります。
したがって、個人差はありますが、通常の目安として3~10ヶ月間の治療期間がかかります。
ただし、最近では「即時荷重」という新しい方法も開発されています。
インプラントを埋入する歯槽骨が硬くしっかりしているなどの条件がそろっていれば、1日で仮歯までの外科手術がほぼ完了することも可能になってきました。
また、インプラント治療では、歯槽骨に穴を空ける外科手術を行います。
手術には神経や血管を傷つけたり、細菌感染などの合併症を起こすリスクがあることも理解しておきましょう。
短所2 治療に制限がある
高血圧症、心疾患、脳血管障害、糖尿病、骨粗鬆症、消化器疾患、ウイルス性疾患、腎機能障害、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、血液疾患、自己免疫疾患、アレルギー疾患、精神疾患などの持病のある人は、病気の程度や全身の状態、歯槽骨の状態によって手術および術後に危険を伴うおそれがある場合、治療ができないことや持病のコントロールが必要なことがあります。
これはインプラント手術に限らず、抜歯など口腔外科手術を受ける場合にもあてはまることです。
お薬手帳や持病の検査結果などを歯科医師に見せ、必要があれば持病の担当医と十分に相談することが大切です。